事業資金調達の方法は複数の手段を組み合わせることがなぜ良いのか?

事業資金調達とは個人資金と何が違うのか理解しよう

事業資金調達とは、個人が借入を行う場合とは比較にならないほどリスクが高い事業への投資資金が含まれるので、担保が明確に用意できているか事業計画が明確でなければなりません。

事業資金調達を行う際には、融資や出資が選択肢に入りますが、用途に合わせて事業資金調達方法を変えなければ返済サイクルに支障が出てしまいがちです。

メインバンク1本に事業資金調達先を絞って営業してきたかつての中小企業は、貸し剥がしにより多くが黒字倒産した過去があります。

バブル崩壊やリーマンショックを生き残った企業ほど、事業資金調達方法が多角化しているので、いざという時の資金調達力が違うわけです。

事業資金調達は設備資金と運転資金のバランスが大切

事業資金調達は、設備資金と運転資金に分けて考える必要があります。

設備資金は事業を行う上で必要となる機械・設備・建物・備品といった計画的に減価償却しながら会社資産として形状しつつ投資を行う固定費用です。

一方、運転資金は毎月発生する仕入れから人件費に至るまで、事業を営む上で必ず発生する日常的に使われる費用となります。

設備資金ばかりに投資して運転資金が枯渇すれば、全体では黒字でありながら仕入れ代金を払えずに取引停止となり、結果的に黒字倒産することが珍しくありません。

このため、設備資金はメインバンクや出資先からの事業資金調達にて賄うとしても、運転資金については必ずしもメインバンクに拘る必要はありません。

むしろ多少金利が高くても緊急で現金化できる手段を用意しておくことが、事業継続には不可欠です。

事業資金調達は設備資金と運転資金で返済サイクルが異なる

事業資金調達は、日本政策金融公庫を利用した場合であっても、設備資金ならば5年以内の返済を見込んだ融資となりますが、運転資金は2年以内の返済と決められています。

運転資金はあくまでも短期的な融資により、売上を使って常時返済を繰り返しつつ行うという原則があります。

本来ならば運転資金は数ヶ月~半年程度で返済できるはずですが、公共事業への入札を行う場合など、入金が年度末に集中する場合や予算が翌年度に繰り越されて支払いが延期されてしまうことを考慮して最大2年となるわけです。

このため、設備資金としてなるべく低金利のまま借入を行いたいと考えて、運転資金が不足する事態を起こしてしまう経営者が後をたたないわけです。

設備資金ばかりに事業資金調達が偏りすぎないように注意しなければなりません。

補助金や助成金による事業資金調達も併用しよう

公的な事業資金調達方法として、補助金と助成金についても常に視野に入れつつ進めることが大切です。

補助金は事業計画を立てた上で資金の使用用途について綿密な計画書類を作成し、関係省庁への事前申請を行わなければなりません。

一方、助成金に関しては、助成金受給資格の要件さえ満たしていれば申請を行うだけで認められ次第順次適用対象となります。

補助金や助成金は他の事業資金調達方法とは異なり、融資や出資では無いために返済不要という点が最大のメリットです。

認められさえすれば公的資金を受け取れるために、事業者にとっては是が非でも受け取りたい公的資金と考えられます。

ただし、補助金や助成金は後払いという性質を持つので、先に着手するだけの事業資金調達を予め別の方法にて行わなければならないわけです。

申請から受け取りまでの期間が長いことから、金額が大きいほど低金利の事業資金により先に資金調達をしなければならないという問題点を抱えています。

いざという時に運転資金として現金化できる事業資金調達先を確保しておく

日常業務を行う上で、取引先が突然倒産したり自然災害により仕入れに問題が発生することは珍しいことではありません。

そこで、いざという時に不足しがちな運転資金について、複数の事業資金調達先を確保しておく必要があります。

運転資金さえあれば事業が継続できるという状況下では、現金化可能な手段としてビジネスコーポレートカードの利用枠を一時的に現金化する方法も視野に入れておくと良いです。

目先の資金調達に惑わされないことが個人の借入では重要ですが、事業の世界ではタイミングが最も重要となることを知っておかなければなりません。

時期が遅れて用意された事業資金は、タイミングを逃したことにより何の価値も持たない事態を発生させてしまうことが多いです。

よくある例として、不渡手形を2回出すと銀行取引停止処分となり倒産に近づいてしまうという例が挙げられます。

銀行は1日たりとも待ってくれないことから、緊急の事業資金調達方法については複数用意しておき、即座に現金化できる手段が望ましいです。

事業資金調達と現金化は結びついている

事業資金調達は、長期的なサイクルで使われる設備資金と短期的な支払いに必要な運転資金で調達方法が必ずしも一致しません。

設備資金調達は低金利融資を受けることで、返済額に占める利息割合を減らせるメリットがあります。

一方、運転資金調達は支払期限に間に合うことが最優先となるので、現金化できる手段を複数用意しておくことが有能な経営者の手腕として認められることになります。

黒字倒産を防ぐためにも、事業資金調達のうち運転資金については調達方法の多角化が求められているわけです。